- 2025年11月:フランス(WNEほか)
日程:2025年11月4日-7日
参加企業:電力会社、プラントメーカー、大型機器、材料、バルブ、アクチュエーター、商社等
実施内容:11月4日-6日 World Nuclear Exhibition
原子力産業における世界最大級の展示会「World Nuclear Exhibition(WNE)」に、日本原子力産業協会(JAIF)とともに日本パビリオンとしてブースを出展しました(参考:JAIFの出展報告)。プラントメーカーをはじめ、材料やバルブメーカーなど計7社が出展するとともに、日本の原子力サプライヤを紹介するJapan Nuclear Suppliers Listを配布し、日本の原子力サプライチェーンを広くアピールしました。

WNEでの日本パビリオン
WNE期間中には、経済産業省と日本の代表企業が登壇するワークショップが開催され、日本の原子力政策、技術力、サプライチェーンの取り組みについて講演を行いました。ワークショップには多くの来場者が集まり、立ち見で聴講される方も大勢いらっしゃるなど、日本の原子力サプライチェーンへの関心の高さが伺えました。また、日本企業と海外企業各社との多くの「B2Bミーティング」が設定され、技術面での協力や将来的な事業連携の可能性などについて、活発な意見交換が行われました。

日本ワークショップの様子
フランスとルーマニアの原子力産業協会からは日本チームが各パビリオンに招待され、それぞれの国の企業や日本との協力の可能性について意見が交わされました。日本パビリオンにも多くの来訪者があり、IAEAのグロッシー事務局長や、世界原子力協会(WNA)のレオン事務局長、EDFのフォンタナCEOにも訪問いただくなど、日本の原子力サプライチェーンに関心を寄せていただきました。

EDFフォンタナCEOとWNAレオン事務局長の日本パビリオン訪問の様子
実施内容:11月7日 La Hague再処理工場・Flamanville原子力発電所・HEFAÏS溶接学校の視察
フランス北西部ノルマンディー地方に位置するLa Hague再処理工場、Flamanville原子力発電所、HEFAÏS溶接学校を視察しました。
La Hague再処理工場では、使用済燃料の受け入れから再処理工程、廃棄物管理に至るまでの一連のプロセスについて説明を受け、実際の使用済燃料の受け入れ現場を見学しました。
Flamanville原子力発電所では、ポンプ建屋などの設備を視察するとともに、試運転中の3号機である欧州加圧水型炉(EPR)に関する説明を受けました。
HEFAÏS溶接学校では、原子力施設特有の作業環境を模擬した教育設備の整備状況を見学し、放射線防護や品質管理の観点も含めた人材育成の取り組みについて理解を深めました。

La Hague再処理工場の外観
Usine de retraitement de la Hague. Restr:UsineHague.jpg CC BY-SA 2.5 via Wikimedia Commons
参加企業の声:I H Ⅰ
当社は1955年、70年前より原子力関連業務を開始し、主に原子力発電所向けの機器の製造を手掛けてまいりました。国内向け沸騰水型原子炉(BWR)圧力容器のほか、周辺配管、熱交換器、蒸気発生器なども製造しております。日本企業としては早期にASME認証を取得し、海外向け加圧水型炉(PWR)用格納容器などにも取り組んでおります。
近年は、小型モジュール炉の技術開発や次世代炉への取り組みの一環として、ASME Div.5認証を取得いたしました。また、福島第一原発の廃炉、燃料デブリの取り出し、使用済み核燃料の輸送・保管、放射性廃棄物のガラス固化技術開発など、原子力産業のバックエンドビジネスにも積極的に取り組んでおります。

IHIの原子力事業
このような中、今回は日本パビリオンに参加させていただき、IHIとしてのブースも設けることができたため、フランスをはじめ欧米各国の幅広いサプライチェーンに触れる貴重な機会を得ることができました。出展企業数や来場者数は想像を超えており、原子力産業への期待の大きさを実感することができました。また展示会の中で開催されたワークショップにおいて、日本における原子力サプライチェーンの紹介を経済産業省と共同で実施したことにより、より多くの企業に日本パビリオンに足を運んでいただくことができ、幅広い交流が可能となりました。
当社製品に関しても、各国の規格・基準に合わせたエンジニアリングや、輸送・吊り上げなどの各工程が必要であり、多くのプロセスを経てプラントが完成することを改めて認識しました。それぞれの企業が貴重な知見を有していることも新たな発見でした。
また、稼働中のプラントの保守や燃料の取り扱いについても、充実したネットワークが構築されており、協力することで新たなビジネスの可能性を感じました。
多くの業界関係者が集まることで、各種プロジェクトの最新情報も得ることができました。今回得た情報をもとに、さらなる事業展開に向けて活動を進めてまいります。





