- 2025年5月:フランス・ポーランド
日程:2025年5月19日-22日
参加企業:プラントメーカー、大型機器、材料、バルブ、アクチュエーター、計装制御メーカー等
実施内容:5月19日 Flamanville原子力発電所の視察
フランス北西部ノルマンディー地方に位置するFlamanville原子力発電所を訪問し、サイト視察を実施しました。タービン建屋をはじめとする各種設備を見学するとともに、新型の炉型である欧州加圧水型炉(EPR)の建設の際の課題やそれに対する方策、地元との関わりといった説明を受けました。

Flamanville原子力発電所の外観
JKremona, “Centrale nucléaire de Flamanville en 2023”, CC BY-SA 4.0
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Centrale_nucléaire_de_Flamanville_en_2023.png
実施内容:5月20日-21日 World Nuclear Supply Chain
世界原子力協会(WNA)が初めて開催したイベント「World Nuclear Supply Chain(WNSC)」に日本の企業チームで参加しました。経済産業省のほか、日立GEニュークリア・エナジー、日本製鋼所M&Eも日本の原子力サプライヤを代表して登壇し、日本の原子力政策やサプライチェーンへの取り組みに関する講演を行いました。

WNA事務局長と日本チーム
イベントでは、参加企業同士での「B2Bミーティング」が並行して実施されました。日本を含む世界各国から集まった原子力関連企業による800以上のB2Bミーティングがセッティングされ、海外企業各社との新たな協業の可能性について議論できたという日本企業も多くありました。

会場でのB2Bミーティングの様子
実施内容:5月22日 OSGE、ポーランド企業との面談
在ポーランド日本大使館にて、ポーランド国内で多くのSMRの導入を目指すOrlen Syntos Green Energy(OSGE)社と2024年11月に引き続き面談を行い、今後の日本企業とのより緊密な連携について議論されました。さらにポーランド産業省のアレンジにより、EPC企業のBudimex社、Polimex社、Zarmen社、原子力向け大型機器を製造するGP Baltic社、加工機械製造のRafamet社と面談し、日本企業との様々な分野における協業について意見が交わされました。

ポーランド企業との意見交換の様子
参加企業の声:TVE
当社は、1922(大正11)年の創業以来、バルブ総合エンジニアリングの可能性を拓いてきました。その昔、船舶向けバルブから始まり、石油化学プラント、火力・原子力等の発電プラントへと屈指の鋳鋼技術を基盤にして、より高品質なバルブ製品の安定供給、そして高度なメンテナンス技術を提供することに邁進してきました。当社の使命は第一に電力の安定供給に貢献することであり、原子力をはじめエネルギーインフラを支える重要弁を安定供給し維持管理していくことは、当社の最重要課題であることに変わりはありません。一方で東日本大震災以降、当社の原子力事業環境は大きく変化しており、震災前のような原子力向けバルブの製造量は確保できていないのが現状です。

TVE製のPWR向け主蒸気隔離弁
そのため海外市場に改めて目を向け、原子力産業基盤強化事業の支援もいただき必要な原子力規格認証の取得に向けた取り組みを進めている中、規格認証取得後の海外市場獲得に向け、この度「World Nuclear Supply Chain(WNSC)」のイベントに参加致しました。各セクションの合間に2日間で計13社とのB2Bミーティングを重ねた結果、海外企業数社と当社の双方がWin-Winとなる新たなコラボレーションの可能性、さらに欧州市場での事業展開に向けた貴重な手掛かりを得ることができました。
今後も海外市場獲得に向けた社内体制をより一層強化し、今回のWNSCをはじめとした海外オケージョンの参加を通じて、海外市場での事業展開を図って参ります。