• 2025年2月:米国(ノースカロライナ州ほか)

日程:2025年2月17日-20日
参加企業:バルブ、配管、材料、計装制御メーカー等

実施内容:2月17日 Fluorとの面談
米国の大手建設会社で、米国内外でのSMRのEPC事業の獲得を目指すFluor社のヒューストンのオフィスを訪問し、同社のアジアを含む世界的な原子力事業の展望を聞き取りするとともに、日本企業からは各社の技術や強みに関するプレゼンが実施されました。FluorはSMRを開発するNuScaleの親会社でもあり、NuScaleに出資する日本企業があることも踏まえ、SMRに関する日米の協業に向けた活発な議論が実施されました。

日本企業のプレゼンの様子

 

実施内容:218日 Curtiss-WrightNuScaleとの面談
在米国日本大使館にて、原子力発電所向けのバルブやポンプ、計装制御機器等を製造するCurtiss-Wright社、さらにSMRを開発するNuScale社と面談を行いました。Curtiss-Wrightからは、米国や世界各国での原子力事業の実績を踏まえた知見が共有され、さらに日本企業との協業に向けた前向きな意見が出されました。NuScaleからは開発するSMR “VOYGR” が紹介されるとともに、日本企業各社の技術力に対する強い関心が示され、個別の製品の対応可能性に関する質問もありました。

日本大使館での面談

 

実施内容:219日 Westinghouseとの面談
大型炉のAP1000をはじめとする原子力プラントメーカーであるWestinghouse社のピッツバーグの研究開発拠点を訪問し、日米の原子力サプライチェーンの共同構築について意見交換が実施されました。Westinghouseからは世界各地における原子力発電所の建設計画が共有され、日本企業の技術力にも強い関心が寄せられました。また、Westinghouseが開発しているマイクロ炉 “eVinci” の研究開発現場を見学しました。

Westinghouseとの意見交換

 

実施内容:2月20日 GEHとの面談、工場見学
SMRのBWRX-300を開発するGE-Hitachi(GEH)社のウィルミントン工場を訪問し、これまでの日米協力の実績を踏まえつつ、今後のSMR開発に向けたさらなる日米サプライチェーンの共同構築について議論が実施されました。また、核燃料の製造現場を見学し、品質管理や研究開発に関する説明を受けました。

GEHとの議論の様子

 

参加企業の声:シルド
当社は異形引抜き材の専門メーカーであり、当社の製品は重電などの発電機器部材やその他各種産業機器部材などあらゆる分野に納入されています。
1971年に原子力発電炉内部材として制御棒の中心金具に使用される「タイロッド」の認定を受け納入を開始し、これまでに日本国内のBWRに7000本以上の制御棒タイロッドを納入してきました。
東日本大震災に見舞われて以降は日本国内のタイロッドの需要は途絶えてしまいましたが、2015年に米国企業からタイロッド製作の要請があり納入を実施することができました。しかし、コロナ禍の影響も相まって米国向けにおいても動きが止まってしまいました。

タイロッド

このような状況の中、今回の米国オケージョンに参加させて頂き、これまでに取引のあった米国企業とも再度コンタクトを取ることができました。また、他の米国企業についても、当社のこれまでの実績を含め引抜き材のメリットについてPRを実施しました。
材料の2次加工ということもありピンとはこない部分もあったかとは思いますが、材料費が高騰している中、歩留まりの向上によるコストメリットを出す意味で、海外企業にアピールできたと考えています。
今後の電力を取り巻く環境において原子力発電はベースロード電源として重要な位置づけであることから、国内原発の再稼働を始め海外においてもSMRなどの動きが活発になることを期待しています。
今回のオケージョンにより当社をはじめ参加企業各社もアピールすることができ、日米間での協力関係が深まったと感じました。今後も海外企業との新たなコネクションの構築、国内サプライチェーンとのつながりなど、さらなる事業展開に向けた活動を進めて参ります。