• 2024年11月:東欧(チェコ・ポーランド・ハンガリー)

日程:2024年11月25日-29日
参加企業:大型機器、バルブ、材料、配管、建設会社等

実施内容:1125日 Doosan Škoda Powerとの面談、工場見学
チェコ西部プルゼニで100年以上にわたってタービンを製造してきた実績を有するDoosan Škoda Power社の本社工場を訪問し、タービン製造現場の工場見学、そして今後のビジネス協業に向けた打合せを実施しました。Doosan Škoda Power社からは実際の製造現場での説明とともに世界各国に向けたタービン製造の実績が紹介され、日本企業からは各社の原子力の実績や強みに関するプレゼンが実施されました。

日本企業のプレゼンの様子

 

実施内容:1126日 VítkoviceOSGEとの面談
在ポーランド日本大使館にて、蒸気発生器といった大型機器の製造実績のあるVítkovice社、さらにポーランド国内で多くのSMRの導入を目指すOrlen Syntos Green Energy(OSGE)社と面談しました。Vítkovice社からは欧州規格に対する対応の可能性、OSGEからは実際の製品のリードタイムや顧客の評価といった日本企業との協業を見据えた積極的な質問が実施されると同時に、豊富な経験と高い信頼性を有する日本のサプライチェーンによる協力の期待が示されました。

OSGEと日本メンバー

 

実施内容:1127日 Grupa Przemysłowa Balticとの面談
原子力発電所向けに大型構造物を納入してきた実績を有し、ポーランド国内に建設する大型炉プロジェクトの潜在サプライヤにも選定されているGrupa Przemysłowa Baltic社と在ポーランド日本大使館にて面談しました。Baltic社から今後のポーランド国内における原子力事業の見通しが紹介されるとともに、日本企業の参画の可能性についても議論され、日・ポーランド両国でのサプライチェーンの共同構築に向けた企業間の交流が実施されました。

日本企業のプレゼンの様子

 

実施内容:1128日 FametZREとの面談
在ポーランド日本大使館にて、原子力発電所等に熱交換器といった機器を供給するFamet社、タービン向け関連機器の製造やメンテナンスを行うZRE社と面談しました。日本企業のこれまでの実績を高く評価するといった意見があったほか、欧州域内での今後のプロジェクトでの協業を見据えた規格や顧客の要望に対する対応可能性に関する活発な議論が実施されました。

会場の様子

 

実施内容:1129日 MVMとの面談、パクシュ原子力発電所の視察
日本とハンガリーが2024年5月に原子力協力に関する協力覚書に署名したことを踏まえ、ハンガリーの国営電力会社であるMVM社の本社を訪問し、日・ハンガリー両国の今後のSMRを中心とした協力に関して議論が実施されました。MVM社からは、SMRの導入に向けて今がパートナー企業と交渉する最適な時期であり、日本企業の訪問を歓迎するという意向が示されました。その後、MVM Paks Nuclear社の運転するパクシュ原子力発電所を訪問、原子炉建屋やタービン建屋、さらに中央制御室を見学しました。

パクシュ原子力発電所の外観

 

参加企業の声:日本製鉄
日本製鉄は、1956年に原子力発電所に用いられるステンレス鋼管の製造を開始し、1994年には蒸気発生器用伝熱管(SG管※1)の輸出を開始いたしました。以降、世界各国180基以上の蒸気発生器にSG管を納入して参りました。しかしながら、2010年に製造能力増強を決定した矢先に東日本大震災に見舞われ、以降はSG管での原子力産業への貢献は限定的となっていました。一方その中で、小型モジュール炉(SMR)が可能性を示すなど、原子力発電を取り巻く環境・技術動向にも大きな変化がありました。

蒸気発生器(SG)用伝熱管

そうした中、海外オケージョンのご案内をいただき、今一度SG管含めた当社鋼管で原子力産業に貢献すべく応募いたしました。過去4回オケージョンでは、米加英の原子力主要メーカー・電力との交流にて関係再構築・情報交換の糸口を掴むことができました。一部顧客とはNDAを締結し、詳細協議を開始しております。今回の東欧オケージョンでも、個社単体ではアプローチが難しい東欧企業との交流および政府・日本企業との情報交換を通じて、原子力産業の持つ深さと可能性を再認識することができました。今回得られた情報・関係・知見を最大限に活用し、原子力産業に当社鋼管で貢献すべく取り組んで参ります。

※1 SG管:Steam Generator Tube
加圧水型原子炉(PWR)の原子力発電所で使用される鋼管。原子炉内で高温に加熱され、放射能に触れている1次冷却水から、放射能に触れない2次冷却水へ熱を伝え、蒸気を発生させる際の熱交換用の鋼管となる。PWR型原子力発電設備にとっては心臓部とも言える重要な鋼管であり、Niを60%、Crを30%それぞれ含有する高価な材料で製造される。