
シンポジウムでの経産大臣(当時)、大臣政務官からの挨拶
東日本大震災から15年を迎えます。東京電力福島第一原子力発電所事故の経験・反省・教訓をひとときも忘れずに取り組むことは、エネルギー政策の原点です。原子力の必要性が高まる今こそ、福島の反省と教訓のもと、安全性向上に向け不断の改善を重ね、国民の信頼を着実に積み重ねることが重要です。引き続き産業界全体で一丸となった安全性の追求をいただくよう、強くお願い申し上げます。
さて、エネルギー政策を巡る国内外の環境は、昨今ダイナミックに変化しています。AIやデータセンターの活用により電力需要の拡大が見込まれる中、エネルギー供給が、わが国の経済成長の制約とならないようにしていかなければなりません。加えて、地政学リスクの高まりから、エネルギー安全保障の観点も重要です。こうした環境変化を踏まえ、世界的に原子力の需要は高まっています。日本においても、原子力など、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用していくことが不可欠です。「第7次エネルギー基本計画」でお示ししたとおり、原子力を最大限活用するために、安全性確保と地域の理解を大前提として、①既存の原子力発電所の再稼働や、②次世代革新炉への建て替え等を進めていきます。高市内閣が打ち出した日本成長戦略にも、GXやフュージョンエネルギーは戦略分野として位置づけられており、今後一層の設備投資や研究開発等、官民の積極的な投資を引き出すべく取り組んでまいります。
国内の原子力動静として、2026年2月に柏崎刈羽原子力発電所6号機が14年ぶりに再稼働を果たし、2025年末には鈴木・北海道知事が、泊発電所3号機の再稼働に関して同意を表明されました。また、関西電力が美浜発電所における後継機設置の検討のための自主的な現地調査を再開するなど、大きく進展しています。地域の皆様をはじめ、原子力産業を支える皆様のご尽力に敬意を表します。また、原子力を長期的に利用していくに当たり、バックエンドへの対応は重要であり、中でも高レベル放射性廃棄物の最終処分は、将来世代に先送りできない国家的課題です。2026年3月、経済産業大臣より、小笠原村南鳥島での文献調査の実施について申し入れを行いました。国として、小笠原村の皆様に説明を尽くしてまいります。
原子力の最大限活用に向け、既設炉の最大限活用や次世代革新炉の開発・設置を進めて行く上で、サプライチェーンや人材基盤は不可欠な要素です。震災以降の事業機会喪失で、この基盤は脅かされつつあります。この危機感のもと、国として「原子力サプライチェーンプラットフォーム」を立ち上げ、様々な支援に取り組んでまいりました。具体的には、
・サプライチェーンの構築に向けた、機器・部素材の開発支援や原子力人材の育成・確保への支援
・ 海外の建設プロジェクト参画に向けた、官民ミッションの派遣や海外規格の取得支援
などに取り組み、多くの原子力関連企業への支援を実施してまいりました。
これからも、本プラットフォームを通じて、皆さまから丁寧にニーズをお伺いしつつ、国として、原子力産業・人材基盤の維持・強化に取り組んで参ります。加えて、国として、原子力産業に携わる皆さまや、未来を担う若者に今後の展望をお示しするための、将来的な原子力発電の見通しや、原子力人材育成を横断的に牽引する産官学の司令塔の創出について、議論を深めているところです。原子力発電の未来を描くには、産業界の皆さまのお力が不可欠です。是非、産業界と国が一丸となって、取り組んでいきたいと考えております。
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