• 2025年6月:カナダ(オンタリオ州)

日程:2025年6月25日-27日
参加企業:大型機器、材料、バルブ、計装制御メーカー等

実施内容:6月25日 Darlington原子力発電所サイトの視察・Aeconとの面談
北米初のSMR建設計画を有するDarlington原子力発電所サイトを訪問し、SMRの建設予定地や既存のCANDU炉(カナダ型重水炉)の見学を行いました。さらにオンタリオ州の州営電力であるOntario Power Generation(OPG)からは、今後のSMRプロジェクトに関する説明を受けました。その後、在トロント日本総領事館でカナダの建設大手Aeconと面談し、日本企業との協業の可能性について議論が実施されました。Aeconからは、日本企業の製品のリードタイムや認証等に関する積極的な質問がありました。

Darlington原子力発電所サイト

Robert T Bell from Oshawa, Canada, “File:Darlington Nuclear Generating Station IMG 7476.jpg” CC BY 2.0 via Wikimedia Commons

 

実施内容:6月26日 Curtiss-Wright・AtkinsRéalisとの面談
在トロント日本総領事館にて原子力関連の各種機器の製造や原子力製品の認定サービスを行うCurtiss-Wrightと面談を行いました。さらにCANDU炉やSMRのエンジニアリング業務を担うAtkinsRéalisのオフィスを訪問し、日本・カナダでのサプライチェーンの共同構築について議論が実施されました。面談先の両社からはカナダの原子力市場の特徴についての説明があったほか、日本企業の国内での原子力発電所建設の知見をカナダでも活かしてほしいといった意見も出されました。

AtkinsRéalisとの議論の様子

 

実施内容:6月27日 BWXT Canadaとの面談・工場見学
蒸気発生器といった原子力向け大型機器の製造を行うBWXT Canadaの工場を訪問し、サプライチェーンにおける協業に向けた議論が実施されました。また、BWXT Canadaの工場見学を実施し、製缶や溶接技術、さらに人材育成に関する説明を受けました。

日本企業のプレゼンの様子

 

参加企業の声:カナデビア
当社は、1881年の創業以来、造船やごみ処理発電などを中心とした大型機器の開発・製造を行って参りました。1978年には、国産第1号となる使用済燃料輸送・貯蔵キャスクを開発・製造し、以来国内外の原子力発電プラント向けに、熱交換器や大型タンクなどの原子力機器を供給しています。特に上述のキャスクおよびキャニスタなどの、使用済燃料輸送・貯蔵機器においては、これまで1,000基以上の納入実績を有しており、さらに2013年に米NAC International社を子会社化して以降は、米国向けにも数多くの機器を納入して参りました。しかし、近年の米国を取り巻く関税問題やエネルギー価格の高騰などにより、原子力事業の環境が変化してきております。国内原発再稼働に向けた製品の研究開発をはじめ、製作コストの低減検討など様々な企業努力を実施していますが、今後の動向に懸念を感じざるを得ないのが現状です。

原燃輸送(株)殿向けNFT-14P型輸送容器

このような状況の中、今回の海外オケージョンに参加させていただきました。プレゼンでは、当社のキャスクの実績とともに、これまでに開発してきた熱交換器やペデスタルなどの様々な原子力製品を紹介しました。カナダ企業からは当社の技術や適用規格に対する積極的な質問があったほか、さらに先方が必要としている製品に関するより踏み込んだ議論を個別に実施することができました。今後、実案件獲得に向けてさらにコミュニケーションを重ね、カナダをはじめとする国際市場での実績をより一層積み上げていきたいと考えております。