
黒木 裕介
名古屋大学 大学院 工学研究科 総合エネルギー工学専攻 修士1年生 ※2025年4月より
2002年10月、愛知県東海市生まれ。11年に発生した東日本大震災では、福島第一原子力発電所の事故をテレビで目の当たりにし、既存の原子炉の安全性に強い不安を感じていた。その後、高校の授業でエネルギー問題について学ぶ中で、原子力発電が安定した電力供給を支える重要な選択肢であると理解し、安全性向上への取り組みの必要性を強く意識するようになった。
高校卒業後、原子力分野の教育に注力する福井大学工学部機械・システム工学科に進学。在学中、高い安全性を有する次世代革新炉、特に高温ガス炉への関心を深めた。3年次には近畿大学で原子炉実習を経験し、原子炉の安全性に関わる核特性の評価には原子炉物理学が不可欠であることを実感。また、4年次にはJAEA高温ガス炉設計グループでの実習を通して、高温ガス炉に対する理解を一層深めた。
卒業研究では、モンテカルロコードを用いて被覆燃料粒子の配置モデルが高温工学試験研究炉(HTTR)の核特性に与える影響を解析。研究を通じて、高温ガス炉設計における核特性評価の重要性を改めて認識した。卒業後は、炉物理を活かしたより高度な高温ガス炉に関する研究が行いたいと考え、今年4月から名古屋大学工学研究科に入学。将来は、高温ガス炉の実証炉開発に携わり、日本のエネルギー問題の解決に貢献することを目指している。